この記事で紹介した醸造所Sundbybergs köksbryggeriは、2020年初めに事業を停止しました。跡地となった元教会の醸造所には日本のクラフトビールファンにも知られているOmnipollo(オムニポヨ、オムニポロ)が新しく入り、醸造所だけでなくパブもオープンすべく改装を進めています(参考:Allt om Stockholmの記事)。Omnipolloは2011年の創業以来いわゆるファントムブルワリー(自前の醸造所を持たないブルワリー)でしたが、今回初めて自前の醸造所を持つことになります。
2023.07追記
Omnipollo、今は東京にも直営バーがあるんですね。ケグを日本に輸送するなんてむっちゃ金かかるだろうな…。
酒屋の品揃えなんてどこも大して変わらんでしょと思ってたのですが、特にクラフトビールに関しては、生産量の問題から近隣の酒屋でしか取り扱いがないこともあるため、いつも行かない店舗に入ってみると、知らなかったその土地のビールが発見できたりするのです。(まぁ酒屋のウェブサイトに品揃えや在庫は全部載ってるし取り寄せもできるんですけど、なんかこう、美味しいビールを偶然発見するっていうプロセスがいいんですよね…。)
なお、このような限定的な取り扱いの製品には、陳列棚の説明や値段表示の横に"lokalt och småskaligt(ローカル&小規模生産)"っていう青い札が付いており探しやすいです。そういえば以前ヨーテボリで買ったビールも、そのような製品でした。
先日、普段行かないお店で見つけたのは、こんなビールです。
左のスパは、シトラスっぽくかつハーブっぽい独特なホップの香り(これがソラチエースの香りなのかな?)と爽やかな苦味が印象的なアメリカンタイプのエール。右のSumpan aleは、ライ麦モルトの香りと落ち着いた苦味があるブリティッシュタイプのエールです。それぞれの特徴がよく出ていて面白かったです。
醸造所主催の試飲会に行ってみた
試飲会の会場となっている醸造所は、ストックホルム郊外Sundbyberg駅近くのショピングストリートの端の方にあります。面白いのは、なんと昔教会だった1904年築の建物をリノベーションして使っている点。ウェブサイトによると、もともとコミューンが持っていたこの建物を、契約を結んで借りているそうです。株式会社化は2011年、この教会跡での生産開始は2014年。
試飲会会場は2階の奥のスペースにあり、いつもやってるかどうかは分かりませんがパブとしても営業しているようでした。以下、会場が暗かったので粗い写真です。
左から、
- Halvlager:名前にラガーと入っているが、エールなんだそう。ホップのフローラルで蜂蜜っぽい香りと、軽めだけどちょっと複雑なモルトの香り。
- Sumpan ale:上述の通り。1の後に飲んだので、よりモルトの焙煎香を感じました。
- Ingefära:その名の通り、生姜が入っているエール。生姜の香りに面食らうが、飲むと爽やかで意外にいける。説明者曰く、マスタード味の料理が合うらしい。生姜は香りづけに最後に加えるんだとか。
- Saison passionsfrukt:フルーティーな香り。パッションフルーツとコリアンダーシードが入っていて、終わってしまった夏が懐かしくなる爽やかな味。ちょっとヒューガルデンのような白ビールっぽい味がするのは、白ビールと同じコリアンダーシードが入っているからとのこと。
- Khartoum stout:深く焙煎されたモルトの香りが印象的。口に含むとチョコレートっぽい香りが広がる。
- Lasse i gatan:コーヒー入りのスタウト。香りはコーヒー。口に含むとコーヒーやチョコやナッツの味。
ここの醸造所のビールは、ホップの種類がラベルに書いてあるのがありがたいです。この日は空きっ腹で飲んだので酔ってしまって、原材料のメモをすっかり忘れてましたが。。
テイスティングメインのため試飲できるビールの量は多くはないですが、人数が少なくみんな同じテーブルなので、アットホームな雰囲気で試飲ができました。小規模生産で頑張っている醸造所、応援したいです。なお、おつまみはついてこなかったので、行く前にお腹に何か入れていくとよいでしょう。