下調べに役立っているサイト
おむつ替え・授乳場所を調べるのに役立っているサイトの一つは、skötrum.nuです。その名の通り、公共施設、レストラン/カフェ、ショッピングモールなどのおむつ替えルーム(skötrum)、おむつ替え台(skötbord)、授乳室(amningsrum)の場所・設備・有料/無料の別を地図上にまとめているサイト。自分で情報を書き込むこともできるようです。他にも、ストックホルムのお店が主ですが、似たコンセプトのSkötrumskartanというというスマホアプリもあります。また、店舗や公共施設に行くなら、目的地の公式ウェブサイトの施設情報も確認します(あまり詳しく載っていないこともありますが)。
余談ですが、日本に一時帰国中には、Baby mapという授乳室・おむつ替え台検索アプリが役に立ちました。
おむつ替え台があるところは多い
上に紹介したサイトでいろいろなおむつ替え場所が紹介されていますが、専用の部屋があるかはともかく、車椅子用トイレの中におむつ替え台を備え付けている施設やお店は体感ではけっこうある印象です。特に図書館や役所など自治体による公共施設には大抵あるような。加えて、大きな商業施設(例:Mall of Scandinavia、IKEA)には、おむつ替え台だけでなく、授乳用の椅子やミルクを温められる電子レンジなどが備え付けられているスペースがあることも。
なお、私が出産したウプサラ大学病院で、トイレに備え付けのおむつ替え台が使用中に崩れ落ち、赤ちゃんが頭に大けがを負う事故が最近あったとのこと(参考:2017年11月Uppsala Nya Tidningの記事)。助かったとはいえ、非常に痛ましい事故です。公共の場所にある台って誰がどんな使い方をしてるかわからないし、ネジが緩んでいないか、ガタガタしていないかなどを使う前に確認するようにしなければ。
授乳室はそれほど多くないかも
一方で、授乳室はおむつ替え台に比べるとそれほど多くないと感じています。今までに行った中で授乳スペースがあったのは、上述のように百貨店、大きめのショッピングモール、IKEAくらい。あったとしても日本の授乳室のように一人一人区切られた個室ではなく、他の人と一緒に使います(父親も入れる)。こういった授乳スペースがない場合は、公共の場での授乳も選択肢としてありえます(自家用車があれば駐車中の車内で授乳できそうですが)。最近一時帰国しましたが、授乳室に関しては日本の方が充実していると感じましたね。このあたりは授乳に対する文化的な考え方も関係している気がします。
スウェーデンは公共の場での授乳に比較的寛容と言われており、実際に授乳している人もたまに見かけますが、所構わず授乳することに関しては過去にエチケット専門家の発言をきっかけとしてSNS上などで議論にもなったりしている(例:2013年4月のAftonbladetの記事)ようです。2015年6月のMetroのアンケート調査によると、回答者の76%が公共の場での授乳OKと回答しています。一方で、回答者のうち18-74歳の女性の中で、実際に公共の場で授乳をしている/したことがある人は合わせて52%。これは子持ちの女性だけを対象とした質問ではないようなので、「子どものいる女性のうち公共の場で授乳したことがある人の割合」が実際どのくらいなのか、他国と比べてどうなのか、そして過去から現在にかけてどのように推移しているのかは不明ですが、半数以上の女性が公共の場での授乳を経験しているというのはたぶん多い部類に入るんじゃないんでしょうか。このほか、図書館でスタッフから授乳を注意された母親が、公共の場で授乳する権利を法律で保護するよう求めるキャンペーンを始めたりもしています(参考:2016年3月のDN Åsikt)。個人的には、わざわざ法律で保護しなくても、こういうことがふわっと許容される社会であり続けてほしいですが。
私自身は、これまでにカジュアルなカフェやレストラン(ランチ)、ファストフード店、電車、病院の待合室、飛行機の中などで授乳したことがあります。お店では混んでいる時間帯は避け、他の人に見えにくそうな席を選び、大きめのストールで赤ちゃん&胸を覆うか抱っこひもに入れたままであげています。これで好奇の目で見られたり、不快感を示されたりしたことは今のところありません。もしかしたら心の中で思われてるのかもしれませんが、そもそも気づいてない人や気づいてても見て見ぬふりをしてくれてる人が多いんじゃないかなという印象です。なおÖppna förskolanやBVCなど親子しかいない場所では、私も他の人も普通に授乳してます。
赤ちゃんの好みが許せば、外出時はミルクにするというのも良い方法だと思います。最初はなかなか哺乳瓶でミルクを飲んでくれなかった我が子ですが、家で徐々に慣らしていくと食いつくようになってきたので、外出時はパック入りの液体ミルクも持ち歩いています。Öppna förskolanで出会ったママ友さんは、魔法瓶でお湯と湯冷ましを持ち歩き、その場でぱぱっと適温のミルクを調合していました。こうすれば、授乳できる場所を探して右往左往する必要もありませんし、父親と子どもだけの外出でも安心です。
これから離乳食に慣れていってお出かけのときに持ち歩く食べ物も変わっていくだろうし、こういうのも母乳をあげている時期ならではの悩みなんだなーと思うと、子どもの成長を感じてうれしい反面、微妙に感傷的な気持ちになります。