そんな折に、昨秋にインターン先のブルワリーでたまたまスウェーデン人醸造長(ビール作りのプロだけどそのほかの発酵食品にも興味がある人)の手作り味噌を味見させてもらって「手作りでもこんなにおいしくできるんや!」といい意味で驚き、自分でも作ってみたくなったのです。
こちらで乾燥米麹も手に入らないことはないのですが、せっかくなので醸造長から教えてもらったサイトで種麹を購入し、クリスマス休暇を利用して米麹を作るところから始めてみました。種麹を買ったサイトはfermentationculture.euというところで、今回味噌作りに使ったのはLight rice koji sporesという商品です。
私が今回作ったのは米麹を使った米味噌です。材料は米ris、種麹koji、片栗粉potatismjöl、塩salt、大豆sojabönor。種麹以外はスーパーや食品のネット通販で手に入ります。
麹作りから始める味噌作りには、大きく分けて以下の3つの工程があります。1-2はだいたい丸3日くらいでできますが、3は何ヶ月もかかります。今回やってみて若干難しいと感じたのは1の米蒸しと発酵時の温度管理でした。日本食材店などで市販の米麹を購入する場合は2-3の工程のみですので難しい点はそれほどないと思います。
- 麹作り(蒸した米に片栗粉でかさ増しした種麹を混ぜて発酵させ麹を作る)
- 仕込み味噌作り(麹と塩と茹でてつぶした大豆とを混ぜる)
- 熟成(ときどき様子を見つつ放置する)
幸いにも、味噌の作り方に関する詳しい情報はインターネット上で豊富に見つけることができます。ありがたいことです。
米麹を作るときは、主に以下の2つのウェブページを参考にしました。どちらのサイトも各工程のコツが書いてあって分かりやすかったです。なんとなく難しそうなイメージを持っていた麹作りですが、家庭で作るなら意外と特別な道具は必要ないことがわかります。必須なのは米を蒸せるなにか(最初のリンク先にもあるようにザルと鍋とかでもOK)と温度計くらいでしょうか。
- ご家庭で作る米麹のレシピ(加藤兵太郎商店 みそブログ)
- 米麹(米こうじ)の作り方|初めてでも失敗しない動画付き(Well Being -かわしま屋のWebメディア-)
仕込み味噌を作るときは、主に以下の2つのウェブページを参考にしました。今回、熟成方法は池田屋醸造さんのビニール袋仕込み、仕込み味噌の配合割合はマルカワみそさんの「中辛」を試しました。
- 味噌の作り方~ 省スペースのビニール袋仕込みを解説(麹の池田屋醸造)
- 簡単!味噌屋が教える失敗しない手作りみそ(越前有機味噌蔵 マルカワみそ)
熟成に関しては単にIKEAのチャック付き袋に分けて入れて直射日光避けのために一応段ボール箱に入れて放置してるだけですが、仕込みから3ヶ月半ほどの今の時点でも結構色が濃くなりいい感じにまろやかになってきています。チロシン(アミノ酸の一種)は出るもののカビは全然生えないし場所も取らないし、チャック付き袋方式にしてよかったです。そして試しに作ってみた味噌汁が美味しい。スウェーデンの家は断熱がしっかりしていて冬でも部屋の温度が一定に保たれているところが多いので、冬の仕込みでも割と熟成が進みやすいのかもしれません。
以下は、実際に作っている時の写真です。
器具の消毒には、これまたビール作り用に持っていたSanipro rinseという消毒薬が役立ちましたが、今は多くの家庭にアルコールスプレーもあると思うのでそういうのでも良さげです。煮沸消毒ってめんどくさいし熱いしできればやりたくない(ズボラ)。