1. スターターの管理が疎かで、酵母と菌の構成があんまりよくないかも
2. 過発酵で生地がだるだるになりがち(スターターの特性を把握できておらず、発酵のピークや次に進むタイミングを私がうまく見極められてない)
3. プリシェイプとファイナルシェイプが下手で生地のテンションが不十分
4. オーブンの蒸気が足りない
1と2は根本的にはスターター変えれば解決する気がしたので、一からスターターを起こし直し、冷蔵庫から出したあとの生地を作る直前のスターターへのえさやりの頻度を1日2-3回に上げてみました。3については上手な人のビデオを見てイメトレ。特にプリシェイプはあなどれず、この段階でしっかりテンションを作るのも重要だと理解しました。4に関してはオーブン内に熱湯を投入したりパンの切れ込みに霧吹きしたりオーブンに生地を入れてから5分後に取り出してクープを入れる方法を試してみたりなどあれこれ試行錯誤したもののオーブンの特性もあるのか成功率が低いので、それまで使っていたpizzastålはひとまずピザ専用にして、半額セールで見つけたルクルーゼの鋳鉄ホーロー鍋をサワードウパンを焼く用に買い足しました。
結果として、新しく起こしたスターターと新しい鍋で焼いたパン生地は、シェイプの時にとても扱いやすくなり、焼く前にだれず、焼き上がりもきれいに膨らむようになりました。こんなに違うものなのかと驚いてます。同時に変えたポイントが大きく3つあるのでもはやどの改善が良い方向に働いたのかはちょっとよくわかりませんが、座布団化率が低下したのはよかったです。たぶん酵母のコンディションの問題がいちばん大きく、生地がだるだるだからシェイプもしにくくて焼いても膨らまない…という悪循環だったと思うので、スターターが変わったのがいちばん良かったんじゃなかろうか。
今後安定してうまく焼けるようになったら、pizzastålでの焼き方をまた練習したいところ。鍋は一度に1個しか焼けないので。
一方で鍋で焼いても高さの出なかったパンもあります。以下の3枚の写真のパンは、在来種小麦粉だけを使って焼いてみたもの。配合はダーラ小麦粉(dalavete)50%、フィルギア小麦全粒粉(fylgia röd)38%、エーランド小麦全粒粉(ölandsvete, オーランド小麦との表記も散見される) 12%。在来種小麦は、品種改良を重ねた現在主流の強力粉に比べてグルテンが弱めなので生地の伸びがよくなく膨らみにくいそうです。加えてこのときは全粒粉が全体の半量を占めていたので余計にグルテンが形成されにくかったと思います。また全粒粉はいわゆる糠の部分が水を吸うので「まだまだいけそう」と調子に乗って水を足していたら加水率85%までいきました。発酵もシェイピングも当社比では順調に進み、オーブンに入れる前までは意外といい感じやんと思っていたのですが、やっぱり難しいですね。まだまだ練習が足りません。パン屋さんすごい。
ちなみにÖの読み方をカタカナでどう表記するかは難しい問題。私はヨーテボリやソーデルマルムなどを筆頭に基本的にオ段で表記することにしていますが、Ölandのカタカナ読みに限ってはÅlandとの混同を避けるためエーランドの方がいいと思います。