この新しい地下線路は、ストックホルム中心部の線路混雑の緩和を目指す交通庁のCitybanan(City Line)プロジェクトの一環で建設されたもの。要は、電車の本数が多すぎて地上の線路だけでは足りないので地下にも線路を作ってキャパ上げるぞ、というものです。10年以上前から計画が始まり、2009年から工事が行われていたという一大プロジェクトです。
地下には新しくStockholm City(ストックホルム・シティ)駅とStockholm Odenplan(ストックホルム・オーデンプラン)駅がオープンします。前者はストックホルム中央駅の地下、地下鉄青線のT-Centralen駅よりも深いところにできます。後者は地下鉄緑線のOdenplan駅に接続しています。これに伴い、SLの通勤電車はこれらの新しい地下駅に停車するようになり、地上のStockholm central駅とKarlberg駅は通らなくなります(SJなどの長距離列車はこれまで通り地上の線路を走行予定)。
通勤電車利用者にとっては、中央駅での通勤電車⇔SJなどの長距離列車への乗り換えが少し不便になると思われます。これまでは地上だけでできていたけど、今後は地下と地上を行き来しなければならなくなるので。通勤電車⇔地下鉄はちょっと楽になるのかな?
一方Stockholm Odenplan駅では、地下鉄緑線に通じるエスカレーターやエレベーターができるので、これまでのKarlberg駅に比べ、通勤電車から地下鉄やバスへの乗り換えが格段に便利になります。下の写真は、新しくできたStockholm Odenplan駅のプラットフォームの様子。広々としていて、ホームドアも付いています。
下の写真は、線路のあるトンネルと並行して設置されているメンテナンス用のトンネルの様子です(2017年3月のTunnelrun Citybananというイベントにて撮影)。海の底だからなのか、トンネル内はひんやりとしていました。
この新路線開通で、ストックホルム中心部の鉄道線路のキャパシティが2倍に向上するそうで、混雑緩和が期待されています。個人的にはPendeltågから中央駅〜南駅の間のきれいな景色が見えなくなるのは残念ですが、便利になる点もあるので、開通が楽しみです。
参考サイト:
Citybanan i Stockholm(交通庁のウェブサイト)
Pendeltågen tar en ny väg under stan(SLのウェブサイト)